心のエコ生活とは その③ 変えられないことにエネルギーを使わない
2026/08/26
前回は、「人の顔色ばかり気にしすぎない」についてお話ししました。
今回は、心のエコ生活の二つ目の習慣、
「変えられないことにエネルギーを使わない」
について考えてみたいと思います。
私たちは毎日の中で、
いろいろなことを何とかしようとしています。
仕事をうまく進めたい。
人間関係をよくしたい。
相手に分かってもらいたい。
失敗しないようにしたい。
これから先、困らないようにしておきたい。
こうしたことを考えるのは、
決して悪いことではありません。
ただ、私たちが苦しくなるのは、
「自分では変えられないこと」まで、
何とかしようとしてしまうときです。
相手の気持ちは、こちらでは決められない
たとえば、自分では丁寧に話したつもりなのに、
相手があまりいい反応をしなかったとします。
すると、
「もっと分かりやすく話せばよかったかな」
「言い方が悪かったかな」
「どうしたら分かってもらえるだろう」
と、いろいろ考えるかもしれません。
ここで、自分の伝え方を振り返ることはできます。
必要なら、もう一度説明することもできます。
でも、最後に相手がどう受け取るかまでは、
自分で決めることはできません。
こちらがどれだけ丁寧に説明しても、
納得しない人もいます。
こちらに悪気がなくても、
相手が嫌な気持ちになることもあります。
逆に、自分では「まずかったかな」と思っていても、
相手はまったく気にしていないこともあります。
つまり、
自分ができることと、
相手にしか決められないことがある
ということです。
ここを全部、
自分の力で変えようとすると、
とても疲れます。
過去も変えることはできない
もう一つ、
私たちがたくさんのエネルギーを
使いやすいものがあります。
それは、過去です。
「あのとき、あんなことを言わなければよかった」
「もっと早く気づけばよかった」
「別の選択をしていれば」
そんなふうに、
過去を何度も思い返すことがあります。
私にもあります。
「あのとき、こうしておけばよかったな」
と思うことは、今でもあります。
振り返ることで学べることもあります。
けれど、どれだけ考えても、
過去そのものを書き換えることはできません。
それでも私たちは、
頭の中では何度も過去に戻ります。
そして、
「どうしてあんなことをしたんだろう」
「なぜもっとできなかったんだろう」
と、自分を責め続けてしまうことがあります。
これもまた、
心のエネルギーをたくさん使います。
天気と同じように考えてみる
少し極端な例ですが、
雨が降っている日に、
「どうして雨なんだ」
「晴れてくれないと困る」
と、何時間考えても、
雨を止めることはできません。
では、私たちはどうするでしょうか。
傘を持つ。
予定を変える。
濡れても大丈夫なように準備する。
自分ができる方へと考えます。
人間関係や仕事の悩みになると、
なぜか私たちは、
これと同じ考え方がしにくくなることがあります。
相手に変わってほしい。
状況が変わってほしい。
過去をなかったことにしたい。
でも、自分では動かせないところに力を注ぎ続けても、
なかなか状況は変わりません。
それなら、
「今、自分にできることは何だろう」
と考えた方が、
使ったエネルギーが次の行動につながります。
「できること」と「できないこと」を分けてみる
何かに悩んでいるとき、
頭の中ではいろいろな問題が一緒になっています。
だからこそ、
一度分けて考えてみると分かりやすくなります。
たとえば、
相手に伝えることはできる。
謝ることもできる。
確認することもできる。
距離を取ることもできる。
自分の行動を変えることもできる。
でも、
相手の考えを変えること。
相手に自分を好きになってもらうこと。
相手を必ず納得させること。
過去そのものを変えること。
これらは、自分一人の力では決められません。
もちろん、影響を与えることはできます。
でも、最終的にどうなるかまでは決められないのです。
この違いが分かるだけでも、
心のエネルギーの使い方はずいぶん変わってきます。
手放すことは、諦めることではありません
「変えられないことにエネルギーを使わない」と言うと、
「それでは、何も努力しないということですか」
と思う方もいるかもしれません。
そうではありません。
むしろ私は、
自分にできることには、きちんと力を使う
という意味だと考えています。
ただし、自分ができることをやったあとまで、
ずっと結果を握りしめない。
そこが大切です。
伝えた。
謝った。
できる準備はした。
必要な行動もした。
そこまでやったのなら、
あとは相手や状況に委ねる部分もあります。
それを、
「もっと何とかしなければ」
と考え続けると、
心はなかなか休まりません。
手放すというのは、
無責任になることではありません。
自分の責任の範囲をきちんと見極めることでもあります。
心のエネルギーには使いどころがある
私たちは、
何でも自分の力で変えられるわけではありません。
それでも、真面目な人ほど、
「自分が何とかしなければ」
と思いやすいものです。
でも、心のエネルギーには限りがあります。
変えられないことにたくさん使えば、
自分が本当に動けるところに使う力が減ってしまいます。
だから、何かで頭がいっぱいになったときには、
一度だけでも問いかけてみてください。
「これは、私が変えられることだろうか」
もし変えられるなら、
できることを考える。
もし変えられないなら、
そこに使っている心の力を、
少しだけ戻してみる。
それだけでも、
心は少し軽くなります。
すべてを何とかしようとしない。
自分にできることを大切にする。
そして、自分では変えられないことには、
必要以上のエネルギーを使わない。
これが、「心のエコ生活」の二つ目の習慣です。
次回は、また別の心の使い方について考えてみたいと思います。
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