なぜ新しいことはワクワクするのか ― 行動心理学と心理学から考える「新しいこと」の力
2026/09/10
新しい店に入る。
初めての場所に行く。
今まで使ったことのない道具を使う。
初めての料理を食べる。
そんなとき、少しワクワクすることがあります。
私はもともと、
新しいものに触れることが好きです。
先日、妻に誘われて、
市が運営しているジムに初めて行きました。
これまで運動をする機会があまりなかった私ですが、
いろいろな器具を使ってみると、
「これはどうやって使うんだろう」
「こう動かすと、ここに効くんだな」
と、だんだん楽しくなってきました。
そして数日後には、
またジムに行っていました。
こうして振り返ってみると、
人はどうして新しいことにワクワクするのでしょうか。
今回は、行動心理学と心理学の視点から考えてみたいと思います。
新しいものには、「確かめたくなる力」がある
人は、まだよく分からないものに出会うと、
「これは何だろう」
「どうなるんだろう」
と注意を向けます。
初めての店なら、
「どんな料理が出てくるんだろう」
初めての道なら、
「この先には何があるんだろう」
初めての器具なら、
「どうやって使うんだろう」
という気持ちが生まれます。
この「分からないから確かめたい」
という気持ちは、人を行動へ向かわせます。
見てみる。
触ってみる。
使ってみる。
行ってみる。
こうした行動の先に、
新しい情報や発見があります。
その発見そのものが、
ちょっとした楽しさになります。
「やってみたら面白かった」が次の行動につながる
行動心理学では、ある行動のあとに
自分にとってうれしいことや心地よいことが起こると、
その行動は繰り返されやすくなると考えます。
たとえば、
初めてジムに行く。
↓
器具を使ってみる。
↓
「意外と楽しい」
と感じる。
すると、
「また行ってみようかな」
という気持ちが生まれます。
私の場合も、まさにそうでした。
最初から、
「これから運動を習慣にしよう」
と強く決めていたわけではありません。
妻に誘われて、
「それじゃあ行ってみようかな」
というところから始まりました。
そして実際に行ってみると楽しかった。
その体験が、
次にもう一度行く行動につながりました。
つまり、
新しいことを試す → 小さな楽しさを感じる → またやってみる
という循環ができたわけです。
ワクワクは「これから何か起きそう」という感覚
私たちは、
楽しい出来事そのものだけでなく、
「これから何か楽しいことがありそう」
というときにも気持ちが動きます。
旅行でも、
実際に旅行している時間だけでなく、
「どこに行こうかな」
「何を食べようかな」
「どこに泊まろうかな」
と考えている時間も楽しいものです。
新しいことにも、
同じような面があります。
まだ経験していないからこそ、
「どんな感じなんだろう」
という期待が生まれます。
この期待が、人を前へ動かします。
行動心理学では、行動のあとに期待できる結果が、
その行動を起こしやすくする大切な要素になります。
つまり、ワクワクするという感覚は、
「ちょっとやってみたい」
という行動へのエネルギーにもなるのです。
気持ちが沈んでいるとき、新しい行動が心を動かすこともある
新しいことに触れることは、
気分が沈んでいるときにも意味を持つことがあります。
心理学には、「行動活性化」という考え方があります。
気持ちが落ち込んでいると、
「出かけるのが面倒だな」
「人に会いたくないな」
「何をしても楽しくないな」
と感じることがあります。
すると、家にいる時間が増え、
人と話したり、楽しいことに
触れたりする機会も少なくなります。
その結果、気分が変わるきっかけまで
減ってしまうことがあります。
そんなとき、友人から、
「ちょっと出かけない?」
と誘われる。
最初は気が進まなくても、
「じゃあ、行ってみようかな」
と外に出てみる。
今まで行ったことのない店に入る。
初めての景色を見る。
知らない料理を食べる。
誰かと話す。
すると、その中に、
「意外と楽しかった」
「来てよかったな」
と思える瞬間が生まれることがあります。
大きく気分が変わるとは限りません。
それでも、
「少し気持ちが軽くなった」
「今日は家にいるよりよかった」
という小さな変化が生まれることがあります。
心理学では、こうした行動によって、
楽しさや達成感、人とのつながりを
感じる機会を増やしていくことを大切にします。
つまり、
気分が変わってから動くこともあれば、
動いたことで気分が変わることもある。
ということです。
私が妻に誘われてジムへ行ったときも、
「絶対に運動したい」
という強い気持ちがあったわけではありません。
「それじゃあ、行ってみようかな」
という小さな行動から始まりました。
そして実際に行ってみると、
「意外と楽しい」
という気持ちが生まれました。
新しいことは、日常に変化を作る
毎日の生活は、
同じことの繰り返しになりやすいものです。
同じ時間に起きる。
同じ道を通る。
同じ仕事をする。
同じ店に行く。
同じテレビを見る。
こうした生活には安心感があります。
その中に、ときどき新しいものが入ると、
日常に変化が生まれます。
いつもと違う道を歩いてみる。
行ったことのない店に入る。
新しい料理を作る。
新しい趣味を試す。
初めての場所へ出かける。
ほんの小さなことでいいのです。
新しい刺激が入ることで、
「今日はいつもと少し違ったな」
という感覚が生まれます。
それが生活の中の小さな楽しみになります。
「自分には向いていない」は、
やってみて変わることがある
新しいことを始める前には、
「自分には合わないかもしれない」
「面倒そうだな」
「たぶん続かないだろう」
と思うことがあります。
でも、実際にやってみると、
自分の予想とは違うことがあります。
私も、運動は自分にはあまり縁がないものだと思っていました。
ところが、ジムに行ってみると、
自分のペースでできる。
誰かと競う必要もない。
好きな器具を使える。
それが思った以上に楽しかったのです。
やってみたことで、
「運動は苦手」
という自分の中のイメージが少し変わりました。
新しいことには、
「まだ知らなかった自分を知る」
という面もあります。
小さく始めると、
新しいことは試しやすい
新しいことを始めるとき、
最初から大きな目標を立てると、
少し重く感じることがあります。
「毎週続けよう」
「半年やってみよう」
「上達しよう」
と考えると、始める前から負担になります。
私の場合は、
「妻が予約したから行ってみよう」
くらいでした。
その軽さが良かったのだと思います。
新しいことは、
「一度だけやってみよう」
「ちょっとだけ試してみよう」
くらいから始める。
すると、行動のハードルが下がります。
そして楽しかったら、またやる。
合わなければ、別のものを試す。
このくらいの柔らかさがあるほうが、
新しい経験は生活に入りやすくなります。
新しいことは、心の世界も広げてくれる
新しいことをすると、
経験が一つ増えます。
行った場所が増える。
知っていることが増える。
話題が増える。
できることが増える。
そして、
「自分はこういうことも楽しめるんだ」
という発見も増えていきます。
私はジムに行ったことで、
「案外こういうのも生活の一部にしていいな」
と思えるようになりました。
行く前には分からなかった自分です。
こうして新しい経験を重ねることは、
自分の世界を少しずつ広げることにもつながります。
これも「心のエコ生活」
私は「心のエコ生活」という言葉を使っています。
心のエネルギーを、必要以上に消耗させず、
自分にとって心地よい方向へ使っていく。
その中には、
「新しいことに少し触れてみる」
という時間があってもいいと思います。
大きな挑戦でなくていい。
いつもと違う道を歩く。
気になっていた店に入る。
初めての料理を作る。
新しい場所へ行く。
やったことのないことを一度だけ試してみる。
そこから、
「意外と楽しい」
という気持ちが生まれることがあります。
そして、その小さな楽しさが、
「またやってみよう」
という次の行動につながります。
気持ちが少し沈んでいるときも、
「ちょっと行ってみようかな」
「少しだけやってみようかな」
という行動が、心の流れを変えるきっかけになることがあります。
新しいことにワクワクするのは、
その先に、まだ知らない経験が待っているから。
そして、その経験の中で、
まだ知らなかった自分にも
出会えるからなのかもしれません。
最近あなたは、
何か新しいことをしましたか。
気になっていることがあれば、
まずは一度だけ試してみる。
そこに、思っていた以上の
楽しさが待っているかもしれません。
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