心のエコ生活とは その④ 100点を目指さない
2026/08/27
これまで「心のエコ生活」として、
「人の顔色ばかり気にしすぎない」
「変えられないことにエネルギーを使わない」
という二つの習慣についてお話ししてきました。
今回は、三つ目の習慣です。
「100点を目指さない」
について考えてみたいと思います。
100点を目指すこと自体が、
悪いわけではありません。
仕事をきちんとやりたい。
人に迷惑をかけたくない。
できるなら、よい結果を出したい。
そう思うことは、とても自然なことです。
ただ、いつも100点を取ろうとすると、
心はかなりのエネルギーを使います。
「もう少し」が終わらなくなる
たとえば、仕事で資料を作ったとします。
一通り完成して、必要なことも入っている。
これなら十分使える。
それでも、
「もう少し見やすくした方がいいかな」
「この言い回しは変えた方がいいかな」
「何か抜けていないかな」
と、何度も見直してしまう。
一度直す。
また気になる。
もう一度直す。
そうしているうちに、
かなりの時間が過ぎてしまいます。
もちろん、確認は必要です。
仕事によっては、
ミスが許されないこともあります。
でも、すべてのことに
100点が必要なわけではありません。
それなのに私たちは、ときどき、
「できているか」ではなく、「完璧かどうか」
で自分の仕事を見てしまうことがあります。
すると、70点でも十分なことに90点を目指し、
90点までできていることに100点を求めるようになります。
最後の10点のために、
それまでと同じくらいのエネルギーを
使ってしまうことさえあります。
100点を目指すと、自分にも厳しくなる
100点を求める気持ちは、
仕事だけではありません。
人間関係でも起こります。
「嫌な顔をしてはいけない」
「相手を傷つけてはいけない」
「いつも感じよく接しなければいけない」
そんなふうに、
自分に高い点数を求めてしまうことがあります。
すると、少し機嫌が悪かっただけでも、
「もっと大人の対応をすればよかった」
と言いたくなります。
人にうまく返事ができなかっただけで、
「どうしてあんな言い方をしたんだろう」
と後悔します。
誰かの期待に応えられなかったときには、
「もっとできたはずなのに」
と自分を責めます。
でも、人はいつも同じ状態ではありません。
疲れている日もあります。
余裕がない日もあります。
判断を間違えることもあります。
言葉が足りないこともあります。
それでも、
「いつもきちんとしていなければ」
と思っていると、
小さな失敗まで大きく感じてしまいます。
100点を目指すことが、
自分を成長させる力になることもあります。
一方で、いつも100点でなければ
認められないとなると、それは心をかなり疲れさせます。
70点、80点で十分なこともある
私は、「何でも適当にやりましょう」と
言いたいわけではありません。
大切なのは、
そのことに、本当に100点が必要なのか
と考えてみることです。
たとえば、大きな契約に関わる資料であれば、
細かく確認した方がよいでしょう。
人の安全に関わる仕事であれば、
慎重さが必要です。
でも、日常のすべてが
そこまで重要でしょうか。
家の中が少しくらい
散らかっていてもいい日もあります。
夕食を簡単に済ませてもいい日もあります。
メールの文章を何度も書き直さなくても、
意味が伝われば十分なこともあります。
人と話したあと、
「もっと気の利いたことを言えばよかった」
と思っても、それほど相手は気にしていないかもしれません。
100点が必要な場面と、
70点、80点で十分な場面。
場合によっては60点でもいいのかもしれません。
この二つを分けて考えられるようになると、
心のエネルギーを使う場所も変わってきます。
「ここまでで十分」と言えるか
100点を目指しやすい人にとって難しいのは、
終わりを決めること
かもしれません。
もう少しできる。
もう一回確認できる。
もっとよくできる。
そう考えれば、終わりはなくなります。
だから、ときには自分で、
「今日はここまで」
「これなら十分」
と言って区切ることも必要です。
これは、手を抜くこととは違います。
自分が使える時間やエネルギーを考えて、
どこまでやるかを自分で決めること
です。
心のエネルギーには限りがあります。
一つのことに全部使ってしまえば、
ほかの大切なことに回す分が少なくなります。
だからこそ、
「もっとできるか」ではなく、
「ここまでやれば十分か」
という視点も持っていたいと思います。
100点ではなく、「必要な点数」を考える
毎日の生活の中では、
すべてのことを完璧にすることはできません。
仕事もきちんとしたい。
家族との時間も大切にしたい。
自分の時間もほしい。
休む時間も必要です。
全部を100点にしようとすると、
どこかで無理が出てきます。
だから私は、
「今日は何点くらいで十分だろう」
と考えてみるのも、
心のエコ生活の一つだと思っています。
今日は80点で十分。
これは70点でも大丈夫。
こっちは60点でもOK!
ここだけは大切だから、しっかりやろう。
そんなふうに、
その時々で力の入れ方を変えていいのです。
毎日100点でなくても、
生活は進んでいきます。
少しくらいうまくできない日があっても、
それだけでこれまで積み重ねてきたものがなくなるわけではありません。
余ったエネルギーを、別のことに使う
100点を目指さないことで
生まれた時間や心の余裕は、
決してムダにはなりません。
少し休むことができます。
好きなことをすることができます。
家族とゆっくり話すこともできます。
ぼんやりする時間に使ってもいいでしょう。
そして、また本当に力を使いたい場面が来たときに、
そのエネルギーを使うことができます。
頑張らないのではありません。
いつも全力を出し続けない。
その方が、必要なときにしっかり
力を出せることもあります。
何かをしていて、
「もっとやらなければ」
と思ったときには、
一度だけ自分に聞いてみてください。
「これは本当に100点が必要なのだろうか」
そして、
「ここまでで十分」
と思えるなら、
そこでいったん終わりにしてみる。
100点を目指さないことは、
自分を甘やかすことではありません。
限りある心のエネルギーを、
本当に大切なところに使うための工夫です。
これが、「心のエコ生活」の三つ目の習慣です。
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