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【ダメ少年、校長になる⑬】「えっ、僕が発表?」― 怖くても最後まで話せた中学1年の私

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【ダメ少年、校長になる⑬】「えっ、僕が発表?」― 怖くても最後まで話せた中学1年の私

【ダメ少年、校長になる⑬】「えっ、僕が発表?」― 怖くても最後まで話せた中学1年の私

2026/10/19

 

 

中学1年生のある日、

吹奏楽部の顧問の先生に呼ばれました。

 

「来週の学年集会で、

 部活ごとの発表があるんだけど、

 吹奏楽部の代表として発表してほしい」

 

私は思わず、

「えっ!」

と声を出してしまいました。

 

人前で話す。

 

その言葉を聞いただけで、

小学校6年生の頃の記憶がよみがえりました。

 

図書委員長になり、

全校朝会で自己紹介をしたものの、

うまくできず、「失敗した」

という思いだけが強く残った経験です。

 

だから、今回も正直、

やりたくありませんでした。

 

でも、顧問の先生から言われたことなので、

「はい、わかりました」

と答えてしまいました。

 

 

 

他の部活とは、少し違う発表だった

 

顧問の先生からは、

「原稿用紙2枚くらいで、

 吹奏楽部のことを書いてほしい」

と言われました。

 

他の部活は、6月の大会結果や、

それに向けて下級生として

どんな取り組みをしているかを発表する。

 

でも、吹奏楽部はその時期には

まだコンクールがありません。

 

そこで、

「どうして吹奏楽部に入ったのか」

 

「普段、どんな気持ちで部活に参加しているのか」

 

「トランペットを始めてどう感じているのか」

 

そんな自分自身のことを話せばいい、

と言われました。

 

 

私は家に帰ると、

机に向かいました。

 

何を書けばいいだろう。

 

どう話せばいいだろう。

 

考えながら、

少しずつ原稿を書いていきました。

 

 

 

原稿を作るだけでは、不安は消えなかった

 

書いた原稿は、

顧問の先生にも見てもらいました。

 

内容を直し、

少しだけ書き直す。

 

そして、今度は読む練習を始めました。

 

一回読む。

 

また読む。

 

つまずいたところは、

もう一度読む。

 

 

何度も、

何度も繰り返しました。

 

 

それでも、

「みんなの前に立ったら、

 また頭が真っ白になるかもしれない」

 

「声が震えたらどうしよう」

という不安は残っていました。

 

でも、練習を重ねるうちに、

 

「少なくとも、

 何を話すかは分かっている」

という感覚は少しずつ強くなっていきました。

 

 

 

繰り返し練習することで、少し安心できるようになった

 

今振り返ると、このときの

反復練習には大きな意味があったと思います。

 

同じ原稿を何度も読むことで、

 

「次にどんな言葉が出てくるか」

 

「どこで息を吸うか」

 

「どこで少し間を取るか」

が、少しずつ身体に入っていきました。

 

 

心理学的に見ると、

繰り返し練習することで、

課題への慣れが生まれます。

 

まったく分からないものに向き合うよりも、

 

「これは何度もやったことがある」

という感覚がある方が、不安は少し下がります。

 

私は、この発表を通して、

 

準備を重ねることが、

不安をゼロにはしなくても、

安心材料にはなる

ということを体験していたのだと思います。

 

 

 

発表の日、他の部活の話はほとんど耳に入らなかった

 

そして、いよいよ発表の日が来ました。

 

学年集会では、野球部、サッカー部など、

順番に発表が進んでいきました。

 

私の番は、かなり後の方でした。

 

でも、他の部活の発表は

ほとんど耳に入ってきませんでした。

 

頭の中にあったのは、

「自分の番が来る」

ということだけです。

 

「うまく読めるだろうか」

 

「声が震えたらどうしよう」

 

「読み間違えたら恥ずかしい」

 

まだ何も起きていないのに、

心臓はどんどん速くなっていきました。

 

これは心理学でいう予期不安に

近い状態だったのだと思います。

 

実際に失敗したわけではない。

 

でも、

「失敗するかもしれない」

という未来を頭の中で何度も想像してしまう。

 

すると、現実に起きていることよりも、

自分の不安の方に注意が向いてしまいます。

 

だから私は、他の部活の発表をほとんど聞けなかったのでしょう。

 

 

 

とうとう、自分の番が来た

 

そして、とうとう自分の名前が呼ばれました。

 

前に出ました。

 

原稿を持ちました。

 

最初は、声が震えていました。

 

自分でも分かりました。

 

おそらく、

聞いている人にも分かったでしょう。

 

口もうまく動きませんでした。

 

何度か読み間違いもしました。

 

それでも、私は原稿から目を離さず、

「最後まで読む」

ことだけを考えました。

 

一行。

 

また一行。

 

少しずつ読み進めていきました。

 

そして、とうとう

原稿用紙2枚を読み終えました。

 

 

 

上手にできたわけではない。でも、最後までできた

 

発表が終わっても、

心臓はまだバクバクしていました。

 

「終わった……」

 

まず出てきたのは、

うれしさよりも安堵でした。

 

 

学年集会が終わり、

教室へ戻ると、

担任の先生が声をかけてくれました。

 

「とてもいい発表だったよ。

 他の先生たちもみんな感心してた」

そう言われました。

 

でも、そのときの私は、

「終わってよかった」

という気持ちの方が大きく、

先生の言葉にあまり反応できませんでした。

 

今考えると、それほど

強く緊張していたのだと思います。

 

 

 

成功体験は、「完璧にできたこと」だけではない

 

この経験を今振り返ると、大事なのは、

「上手に発表できた」

ことだけではありません。

 

実際には、

 

声は震えた。

 

読み間違いもした。

 

口もうまく動かなかった。

 

それでも、最後までやめませんでした。

 

ここに大きな意味があったと思います。

 

 

心理学では、自分でやってみて、やり遂げた経験は、

自己効力感につながることがあります。

 

 

自己効力感とは、

「自分にもできるかもしれない」

という感覚です。

 

私はこのとき、

「緊張しても、最後まで話すことはできる」

という経験をしました。

 

これは、それまでの

「人前に立ったら失敗する」

という記憶とは少し違うものでした。

 

 

 

小6の「失敗した記憶」に、新しい経験が重なった

 

小学校6年生の頃、

人前に立つことは私にとって、

 

「怖い」

「失敗する」

「恥ずかしい」

というイメージと強く結びついていました。

 

 

でも、中学1年生のこの発表では、

 

怖かった。

震えた。

間違えた。

それでも、

最後までできた。

 

この新しい経験が加わりました。

 

過去の怖い記憶が消えたわけではありません。

 

でも、

「必ず失敗するわけではない」

「緊張していても、やり遂げられることがある」

という別の経験が、

少しずつ上書きされていったのだと思います。

 

 

 

反復練習が、私を支えてくれた

 

このときの私は、

本番の前に何度も練習していました。

 

今振り返ると、

それが大きかったと思います。

 

何度も読む。

 

つまずいたら、もう一度。

 

また読む。

 

この繰り返しが、

「できるかどうか分からない」

という状態を、

 

「少なくとも、ここまでは準備した」

という状態に変えてくれました。

 

 

不安がなくなったわけではありません。

 

でも、

不安の中にも、準備した自分がいた。

 

それが、本番で最後まで読み切る力になったのでしょう。

 

 

 

「できた」が、次の自信につながっていく

 

この経験は、トランペットや

勉強で感じた「できた」ともつながっています。

 

最初からできたわけではない。

 

何度も練習した。

 

何度も失敗した。

 

それでも続けた。

 

そして、最後までできた。

 

こうした経験が少しずつ積み重なって、

「自分にもできることがある」

という感覚が育っていったのだと思います。

 

大きな成功ではありません。

 

完璧な発表でもありません。

 

でも、私にとっては、

「怖くても、最後までできた」

という、とても大きな成功体験でした。

 

 

 

今なら、あの頃の自分にこう言いたい

 

中学1年生の自分に、

今ならこう言いたいです。

 

「声が震えてもいい」

「読み間違えてもいい」

「緊張していることが分かってしまってもいい」

 

大事なのは、

その状態でも、最後までやったこと。

 

私はこの頃から、少しずつ、

「完璧にできなければ失敗」

ではなく、

 

「怖くてもやれたなら、それも成功」

という経験を積み始めていたのだと思います。

 

 

 

あなたの人生も、心理学の視点から振り返ることができます

 

今、

人前で話すのが怖い。

 

発表の前になると、

頭がいっぱいになる。

 

失敗したらどうしようと考えてしまう。

 

そんな方もいるかもしれません。

 

 

でも、過去を振り返ってみると、

 

「緊張したけれど最後までできた」

「怖かったけれど逃げなかった」

という経験があるかもしれません。

 

そうした経験は、

小さく見えても大切です。

 

私のカウンセリングでも、

ご自身の生い立ちから現在までを一緒に振り返りながら、

心理学や行動心理学などの視点を取り入れて、

今の人間関係や生きづらさとのつながりを整理していくことができます。

 

あなたの人生も、心理学の視点から振り返ってみませんか。

 

自分のこれまでを知ることは、

これからの自分を知ることにもつながります。

 

 

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