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「あの人は、だらしない人だ」と決めつけていませんか? ― 基本的帰属の誤りという心のしくみ ―

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「あの人は、だらしない人だ」と決めつけていませんか? ― 基本的帰属の誤りという心のしくみ ―

「あの人は、だらしない人だ」と決めつけていませんか? ― 基本的帰属の誤りという心のしくみ ―

2026/10/21

 

職場で、こんなことがあったとします。

 

ある同僚が、

会議の開始時刻に10分遅れてきました。

 

その様子を見て、

「時間にルーズな人だな」

 

「社会人としての自覚が足りないんじゃないか」

と思った人がいました。

 

 

ところが、その同僚は、出勤途中に

体調を崩した人を見かけ、

救急車が到着するまで付き添っていたのです。

 

 

事情を知った人は、

「そうだったのか。それなら仕方がないね」

と考えを改めました。

 

 

しかし、もし事情を知らなかったら、どうでしょう。

 

「あの人は時間にだらしない人だ」

という印象だけが残っていたかもしれません。

 

 

 

行動だけを見て、性格を判断してしまう

 

心理学には、「基本的帰属の誤り」という言葉があります。

 

これは、他人の行動を見たとき、

その原因を本人の性格や能力などに求めやすく、

周囲の状況や事情の影響を軽く見てしまう傾向のことです。

 

たとえば、

仕事が遅い人を見て、

「能力が低い」と思う。

 

あいさつをしない人を見て、

「感じが悪い」と思う。

 

約束を忘れた人を見て、

「責任感がない」と思う。

 

しかし、その背景には、

さまざまな事情があるかもしれません。

 

 

仕事が遅いのは、

ほかの人より多くの

業務を抱えているからかもしれません。

 

あいさつをしなかったのは、

考え事をしていて気づかなかったからかもしれません。

 

約束を忘れたのは、

家庭で大きな問題を抱えていたからかもしれません。

 

もちろん、本人に改善すべき点がある場合もあります。

 

ただ、目に見える行動だけでは、

その原因まで正確に判断できないということです。

 

 

 

子どもの行動にも、見えない理由がある

 

私は35年間、

教育現場で多くの子どもたちと関わってきました。

 

学校でも、同じようなことが起こります。

 

授業中、落ち着かずに何度も

席を立つ子どもがいたとします。

 

「集中力がない」

「我慢ができない」

「先生の話を聞く気がない」

 

そう考えてしまうこともあるでしょう。

 

 

しかし、その子は授業の内容が理解できず、

どうしたらよいかわからなくなっているのかもしれません。

 

家庭で心配事を抱えているのかもしれません。

 

あるいは、じっと座っていること自体に

難しさを感じているのかもしれません。

 

行動には、必ずしも一つの理由だけがあるわけではありません。

 

だからこそ、表面的な行動だけで判断せず、

その背景にも目を向けることが大切だと思います。

 

 

 

「なぜ、そうしたのだろう?」と考えてみる

 

人間関係で、相手の行動に腹が立ったり、

不快に感じたりすることは誰にでもあります。

 

そんなとき、すぐに、

「あの人は、そういう性格だから」

と決めつけるのではなく、

 

「何か事情があったのかもしれない」

と考えてみる。

 

それだけでも、

相手を見る目が少し変わることがあります。

 

ただし、相手の事情を考えることと、

どんな行動でも許すことは別です。

 

迷惑な行動には、必要に応じて注意したり、

自分の気持ちを伝えたりすることも大切です。

 

そのうえで、相手の行動の背景を理解しよう

とする姿勢を持ちたいものです。

 

 

 

私たちは、相手の一部分しか見ていない

 

私たちが普段見ているのは、

相手の行動のほんの一部分です。

 

その人が何を考え、どんな事情を抱え、

どんな気持ちで行動したのか。

 

そこまでは、なかなかわかりません。

 

「あの人は、どうしてあんなことをしたのだろう?」

 

そう感じたときには、

もう一つ問いかけてみてください。

 

「私には見えていない事情があるのではないだろうか?」

 

その問いかけが、相手への理解を深め、

人間関係を少し穏やかにするきっかけになるかもしれません。

 

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