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「そうしんさい」と繰り返す母親――朝ドラから考えた、自分の気持ちを大切にすること

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「そうしんさい」と繰り返す母親――朝ドラから考えた、自分の気持ちを大切にすること

「そうしんさい」と繰り返す母親――朝ドラから考えた、自分の気持ちを大切にすること

2026/11/03

朝ドラを見ていて、

今回も考えさせられる場面がありました。

 

主人公といとこの間に、

赤ちゃんが授かります。

 

いとこはまだ学生です。

 

生活のために新聞配達を始め、

主人公もレストランで働いています。

 

そんな中、赤ちゃんのことを故郷へ知らせると、

いとこの母親が、知り合いの銀行員を連れて下宿先を訪ねてきました。

 

その銀行員の方が、赤ちゃんが生まれるまでに

必要なお金を面倒見てくれるという話です。

 

代わりに、卒業後は北海道の銀行に就職してほしいとのこと。
 

母親は、

「いい話じゃろ」
「そうしんさい」

と勧めます。

 

突然の話だったため、いとこは、

「少し考えさせてほしい」

と答えます。

 

北海道がどんな地ははよくわかりません。

 

寒い中でも生活。初めての土地。

どんな困難が待ち受けるのか?

 

 

ところが帰り際にも母親は、

「いいな、そうしんさい」
「わかっとるね」
「ね」

と、何度も念を押します。

 

この場面を見ながら、

「昔は、こういう親が今より多かったのだろうか」

と思いました。

 

 

当時は、結婚相手を親や家が

決めることも珍しくありませんでした。

 

進学や仕事についても、

本人の希望だけでは決められないことがあったでしょう。

 

特に結婚は、本人同士だけの問題ではなく、

「家と家との結びつき」

として考えられることが多い時代でした。

 

 

ですから、

「あなたのためだから」
「これが一番いい」
「そうしなさい」

という親の言葉にも、

今とは違う重みがあったのだと思います。

 

ただ、今回の朝ドラを見ていて、

私はもう一つ感じました。

 

親が決めることが当たり前だった時代でも、

 

「自分の人生なのだから、自分で決めたい」

と思った人は、きっといたのではないでしょうか。

 

 

大正時代には、女性の生き方や自由について

新しい考え方も少しずつ広がっていきました。

 

昔から続いてきた、

「こう生きるべきだ」

という価値観と、

 

「私はこう生きたい」

という気持ちが、

ぶつかり始めた時代でもあったのでしょう。

 

 

 

心理学的に考えると、ここには

「自己決定」という大切なテーマがあります。

 

 

人は、自分で選んだと

感じられることによって、

「自分の人生を生きている」

という感覚を持ちやすくなります。

 

 

反対に、

「親に言われたから」
「周りがそう言ったから」
「断れなかったから」

という理由だけで大きな決断をすると、

 

あとになって、

「本当にこれでよかったのだろうか」

という気持ちが残ることがあります。

 

 

もちろん、親が口を出すのは、

子どもを困らせたいからとは限りません。

 

 

むしろ、

「この子には苦労してほしくない」
「少しでも楽な道を歩ませたい」
「失敗させたくない」

という思いからでしょう。

 

 

今回の母親も、

息子たちと、これから生まれてくる孫の生活を

心配していたのだと思います。

 

 

だからこそ、

「この話を受けたほうがいい」

と強く勧めたのでしょう。

 

ここが、親子関係の難しいところなのかもしれません。

 

 

親は、

「あなたのため」

と思っている。

 

子どもは、

「自分で決めたい」

と思っている。

 

どちらも相手を否定したいわけではない。

 

 

でも、思いが強くなりすぎると、

相手の気持ちを聞く前に、

「こうしなさい」

になってしまうことがあります。

 

 

これは、現代にもあります。

 

「この学校のほうがいい」


「その会社はやめたほうがいい」


「そんな人との結婚はやめなさい」


「実家の近くに住んだほうがいい」

 

親からすれば、

人生経験をもとにした助言です。

 

 

そして、その助言が

役に立つこともたくさんあります。

 

ただ、最終的にその人生を歩いていくのは、本人です。

 

だから、

「私はこう思うよ」

と伝えることと、

 

「あなたはこうしなさい」

と決めてしまうことは、

少し違うのだと思います。

 

 

そして今回の場面を見ながら、

私は人間関係で悩んでいる方のことも思い浮かべました。

 

人の顔色や反応をとても気にする方の中には、

 

「相手を嫌な気持ちにさせたくない」


「変に思われたくない」


「ここで断ったら関係が悪くなるかもしれない」

 

と考えるあまり、

自分の気持ちをうまく言葉にできない方がいます。

 

 

本当は、

「少し考えたい」


「今は答えられない」


「私は少し違うように感じている」

 

と思っていても、

その場では相手に合わせてしまう。

 

 

そして、あとになってから、

「あのとき、ちゃんと言えばよかった」


「本当は嫌だったのに」


「また自分の気持ちを言えなかった」

と苦しくなることがあります。

 

 

そんな方にとって、

「考えさせてください」

という言葉は、

とても大切なのかもしれません。

 

 

すぐに賛成しなくてもいい。

 

すぐに断らなくてもいい。

 

まず、自分の気持ちを確かめるために時間を取る。

 

それも、自分を大切にする一つの方法です。

 

人間関係では、相手に合わせることも必要です。

 

 

でも、いつも相手を優先していると、

自分が何を感じているのかさえ分からなくなることがあります。

 

だからこそ、ときどき、

「私は本当はどうしたいのだろう」

と、自分に聞いてみる。

 

そして、いきなり強く自己主張するのではなく、

「少し考えたいです」
「私はこう感じています」
「今はすぐに決められません」

と、小さく自分の気持ちを言葉にしてみる。

 

自分の気持ちを伝えることは、

相手を否定することではありません。

 

相手の気持ちも大切にしながら、

自分の気持ちも大切にする。

 

 

今回の朝ドラで、いとこがすぐに返事をせず、

「考えさせてほしい」

と言った場面が、私は印象に残りました。

 

親に逆らったわけでもありません。

 

援助を断ったわけでもありません。

 

ただ、

「大切なことだから、自分で考えたい」

と伝えた。

 

そこに、自分の人生を

自分で選ぼうとする姿を感じました。

 

 

時代が変わり、私たちは

昔より多くのことを自分で選べるようになりました。

 

だからこそ、

誰かに言われたからではなく、

「私はどうしたいのだろう」

と自分に問いかけること。

 

そして、相手が大切な人だからこそ、

「あなたはどうしたいの?」

と聞いてみること。

 

そんなことを、今回の朝ドラを見ながら考えました。

 

 

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