故郷を離れるという決断―「逃げる」と「前へ進む」の間で―朝ドラを見て感じたこと
2026/10/23
朝ドラを見ていて、
今回も考えさせられました。
主人公は、悪いうわさがなかなか消えず、
ついに地元を離れて東京へ向かいます。
見ていて私は、
「これは本当に大きな決断だっただろうな」
と思いました。
今のように、
簡単に情報を集められる時代ではありません。
知らない土地。
知らない人。
新しい仕事。
新しい暮らし。
そこへ一人で向かう。
しかも、
「東京で新しい人生を始めよう」
という希望だけではなく、
「もうここにはいられない」
という気持ちもあったのではないでしょうか。
つまり、
新天地へ進んだというより、
故郷から逃げるような感覚もあったのかもしれません。
でも私は、そこにこそ
人間の複雑な心があるように感じます。
私たちはよく、
「逃げるのはよくない」
「前向きに挑戦するほうがよい」
と考えがちです。
しかし、
人の決断はそんなに単純ではありません。
苦しい場所から離れたい。
でも、慣れた場所を離れるのは怖い。
今の仕事はつらい。
でも、転職してもっと悪くなったらどうしよう。
地方へ一緒に来てほしいとプロポーズされた。
でも、家族や仕事や友人から離れるのは不安。
反対に、
「この土地を出て、新しいところで自分を試してみたい」
と思う人もいます。
人の心には、
「変わりたい気持ち」と「変わりたくない気持ち」
が同時に存在することがあります。
心理学では、
近づきたい気持ちと
避けたい気持ちが同時に起こる状態を
「葛藤」と考えます。
たとえば転職なら、
「今の職場から離れたい」
という気持ちがある一方で、
「新しい職場でうまくやれるだろうか」
という不安もある。
引っ越しなら、
「新しい生活を始めたい」
と思いながら、
「今まで築いてきたものを失いたくない」
という気持ちも出てきます。
だから、人がなかなか決められないのは、
決断力がないからとは限りません。
どちらにも大切なものがあるから、迷うのです。
今回の主人公も
そうだったのかもしれません。
生まれ育った場所には、
家族も思い出もある。
本当なら、そこで暮らし
続けたかったかもしれない。
それでも、そこにいる限り、
うわさが自分について回る。
仕事も見つからない。
新しくやり直すことも難しい。
そう考えたとき、
「ここを離れる」
という選択をした。
私は、それを単純に
「逃げた」とは思いません。
苦しい環境から離れることは、
ときに自分を守るために必要な選択です。
そして、離れた先で、
「ここからもう一度やってみよう」
と思えたとき、
逃げるように始まった行動が、
少しずつ「挑戦」に変わっていくこともあります。
最初から前向きでなくてもいいのだと思います。
「ここから離れたい」
から始まってもいい。
「もう限界だ」
と思って環境を変えることもある。
大切なのは、そのあと、
「では、これから自分はどう生きたいのか」
を少しずつ考えていくことなのかもしれません。
これは、現代の私たちにも通じます。
職場を変えようか迷っている人。
結婚を機に遠くへ引っ越すか迷っている人。
今の人間関係から距離を取りたい人。
新しい仕事に挑戦したい人。
知らない土地で一から始めようとしている人。
どの人も、心の中には、
期待と不安、
希望と寂しさ、
自由と喪失感、
その両方を抱えているのではないでしょうか。
だから私は、
「迷っている自分は弱い」
とは考えなくてよいと思います。
それだけ大きな決断だから、迷う。
そして、
不安がなくなってから動くのではなく、
不安を抱えたまま一歩を選ぶ。
それもまた、勇気の一つなのだと思います。
今回の朝ドラを見ながら、
故郷を離れる主人公の決断は、
「逃げ」だったのか、
「挑戦」だったのか、
どちらか一つではないのかもしれないと思いました。
最初は逃げるように出たとしても、
その一歩が、
新しい人生へ向かう最初の一歩になることもある。
そんなことを感じました。
※ご相談はこちらから
人間関係でお悩みの方
----------------------------------------------------------------------
オンライン・カウンセリング 《輝き》
住所:埼玉県鴻巣市南2丁目
電話番号:050-1720-1859
カウンセリングで人間関係を整理
カウンセリングとコーチング
教員向けのカウンセリング
仕事に向き合うカウンセリング
不登校に悩む方のカウンセリング
----------------------------------------------------------------------


