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【私の人生を心理学で振り返る⑦】「お前がやれ」と言われて断れなかった私 ― 小6で人前に立つことが怖くなった日々(自分の体験談より)

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【私の人生を心理学で振り返る⑦】「お前がやれ」と言われて断れなかった私 ― 小6で人前に立つことが怖くなった日々(自分の体験談より)

【私の人生を心理学で振り返る⑦】「お前がやれ」と言われて断れなかった私 ― 小6で人前に立つことが怖くなった日々(自分の体験談より)

2026/09/24

 

 

小学校6年生の頃のことです。

 

この頃の私は、

クラスの空気に逆らうことがとても苦手でした。

 

あるとき、図書委員長を

決める場面がありました。

 

そのとき、まわりから

「お前がやれ」

と言われました。

 

私は、本当は

やりたくありませんでした。

 

人前に立つことは苦手でしたし、

委員長のような役割が

自分に向いているとも思っていませんでした。

 

けれど、その場で断ることができませんでした。

 

 

 

断れなかったのは、意志が弱かったからではない

 

今振り返ると、

この場面には私の当時の特徴が

よく表れていたように思います。

 

 

私は、相手の言葉だけでなく、

その場の空気にも強く影響を受けていました。

 

クラスの流れに逆らう。

 

みんなの期待を外す。

 

「なんでやらないんだ」と思われる。

 

そうしたことを考えると、

とても断れる状態ではなかったのです。

 

 

心理学では、人は集団の中にいると、

周囲の意見や雰囲気に合わせやすくなることがあります。

 

これを同調の働きとして説明することがあります。

 

 

特に、対人関係に敏感な子どもは、

「自分が断ったら空気が悪くなるかもしれない」

「嫌われるかもしれない」

と感じやすくなります。

 

私が断れなかったのも、

単に意志が弱かったからではなく、

その場の空気を強く受け取りすぎていたからなのだと思います。

 

 

 

家に帰るまで、涙が止まらなかった

 

図書委員長を引き受けることになってから、

私の心は一気に重くなりました。

 

人前で話す。

 

全校の前に立つ。

 

自己紹介をする。

 

そう考えるだけで、

気持ちは沈んでいきました。

 

 

家に帰る道で、

私は泣いていました。

 

「明日は学校に行きたくない」

 

「もう、消えてしまいたい」

 

そんなことを思いながら

歩いていたのを覚えています。

 

 

それほど、私にとって

人前に立つことは大きな恐怖だったのです。

 

この頃の私は、

まだ自分の気持ちを十分に

整理できていませんでした。

 

ただ、心の中では強い不安がふくらみ、

その苦しさを抱えきれなくなっていたのでしょう。

 

 

 

全校朝会の自己紹介が「失敗体験」になった

 

そして、全校朝会の日が来ました。

 

図書委員長として前に立ち、

自己紹介をしました。

 

今、その場面を細かく

再現できるわけではありません。

 

ただ、私の中には、

「うまくできなかった」
「失敗した」

という気持ちが強く残りました。

 

人前で何かをするとき、

緊張が強いと、頭の中は内容よりも

 

「変に思われていないか」


「失敗していないか」


「みんなが見ている」

 

ということでいっぱいになります。

 

 

 

心理学では、

こうした状態を評価不安として考えることができます。

 

さらに、不安が強いと

注意が自分自身に向きやすくなります。

 

どう見えているか。

 

声は震えていないか。

 

変なことを言っていないか。

 

 

このように自分ばかり気になる状態を、

自己注目が強い状態として捉えることもできます。

 

私も、まさにそうだったのだと思います。

 

その結果、自己紹介そのものが、

私の中では「人前に立って失敗した出来事」として刻まれました。

 

 

 

失敗した記憶が、頭の中で何度もくり返された

 

一度「失敗した」と感じると、

その出来事はそこで終わりませんでした。

 

何度も思い出す。

 

「あのとき、ああ見られたかもしれない」と考える。

 

「もっとこうすればよかった」と頭の中でくり返す。

 

そんな状態が続いていきました。

 

 

 

心理学では、

こうして嫌な出来事を何度も

頭の中でくり返してしまうことを、反すうと呼びます。

 

反すうが強くなると、

気持ちは切り替えにくくなります。

 

勉強中にも思い出す。

 

授業中にも気になる。

 

次に何かさせられるのではないかと不安になる。

 

すると、今やるべきことに

心の力を向けにくくなります。

 

 

私の場合も、自己紹介のあと、

 

授業も、勉強も、


手につかなくなっていきました。

 

 

 

「安心できない学校」は、学ぶ場所になりにくい

 

子どもが落ち着いて学ぶためには、

まずその場がある程度安全に感じられることが大切です。

 

先生との関係。

 

友達との関係。

 

教室の空気。

 

そのどれかが不安定だと、

心はまず自分を守ることに力を使います。

 

私にとって、この頃の学校は、

安心して失敗できる場所ではありませんでした。

 

間違えたくない。

 

目立ちたくない。

 

人前に立ちたくない。

 

そんな気持ちが先に立っていました。

 

 

すると、学ぶことそのものよりも、

 

「どうすれば傷つかずにすむか」

が大きなテーマになっていきます。

 

 

これは行動心理学の視点から見ると、

不安を避ける行動が強くなっていく流れとも言えます。

 

人前に出るのを避けたい。

 

目立たないようにしたい。

 

失敗の可能性があることから離れたい。

 

 

そうすると、

その瞬間の苦しさは少し減ります。

 

そのため、

その行動はくり返されやすくなります。

 

こうして私は、

ますます「人前に立つこと」そのものが

苦手になっていったのだと思います。

 

 

 

担任の言葉は、母を通して私に伝わった

 

その頃、担任の先生は母にこう伝えたそうです。

 

「高橋くんは、中学校では

 特殊学級の方がいいかもしれません。」

 

今の時代では使われ方が変わってきている言葉ですが、

当時はそのように言われたのでしょう。

 

この言葉は、私にとって

とても重いものだったと思います。

 

子どもにとって、

先生の見立ては大きな意味を持ちます。

 

それは単なる意見としてではなく、

 

「自分はその程度の子なのか」


「普通にやっていけない子なのか」

 

という受け取り方につながることがあります。

 

 

 

心理学では、

まわりから貼られた見方や言葉が、

自分自身のイメージに影響することがあります。

 

私はこの頃から、

勉強の面でも、

人前での面でも、

自分に対する自信をさらに失っていったように思います。

 

 

 

今振り返ると、HSC的な敏感さが強くあった

 

今の私は、あの頃の自分を振り返ると、

 

「ひといちばい敏感な子(HSC)」
の特徴をかなり強く持っていたように思います。

 

周囲の表情や声の調子を細かく受け取る。

 

空気の変化をすぐに感じる。

 

人前で注目されると強く緊張する。

 

一つの出来事を深く受け止め、長く引きずりやすい。

 

 

こうした特徴は、弱さというよりも、

生まれ持った感じ方の繊細さとして理解できます。

 

ただ、その繊細さは、

安心できる環境では思いやりや丁寧さとして育ちやすい一方で、

緊張の強い環境では不安や自己否定につながりやすくなります。

 

当時の私は、その敏感さを支えてもらうよりも、

自分の中で抱え込むことが多かったのでしょう。

 

 

 

家庭での孤独感も、心の土台に影響していたのかもしれない

 

もう一つ、今だから考えることがあります。

 

この頃、両親は共働きでした。

 

私はそれまでの回にも書いてきたように、

学校でも家でも、

どこか落ち着かない感じを抱えていました。

 

家に帰っても、

すぐに安心して気持ちを話せるわけではない。

 

学校には学校の緊張がある。

 

家庭には家庭の孤独感がある。

 

 

そうした積み重ねの中で、

心の土台に安心感が育ちにくかった部分もあったのかもしれません。

 

愛着の心理学では、

子どもは安心できる相手との関係を通して、

外の世界へ向かう力を育てていくと考えます。

 

 

私の場合、

その安心感が十分に満たされにくい中で、

学校という緊張の場に立たされていたところがあったのでしょう。

 

そのことが、

人との関係で不安を感じやすいことや、

相手の顔色を読みすぎることにつながっていた可能性があります。

 

 

 

あの頃の私は、がんばりすぎるほどがんばっていた

 

今の私は、小6の自分にこう言いたいです。

 

「あなたは弱かったのではないよ」

 

「あなたは、敏感な心で、

 精いっぱい毎日を生きていたんだよ」

 

クラスの空気に逆らえなかったこと。

 

人前に立つのが怖かったこと。

 

失敗を何度も思い返してしまったこと。

 

勉強に手がつかなくなったこと。

 

 

それらは、当時の私が怠けていたからでも、

根性がなかったからでもありません。

 

 

心が強い緊張の中にいて、

うまく身を守ろうとしていた反応だったのだと思います。

 

 

 

 

あなたの人生も、心理学の視点から振り返ることができます

 

今、

人前に立つのが怖い。

断りたいのに断れない。

失敗をいつまでも引きずってしまう。

相手の表情や空気に敏感すぎて疲れてしまう。

 

そんな悩みがあるとしたら、

その背景にはこれまでの経験が関係していることがあります。

 

 

どんな場面で強い不安を感じるようになったのか。

そのとき、まわりからどんな言葉を受け取ったのか。

自分は何を守ろうとしていたのか。

 

人生を振り返っていくと、

今の自分を理解する手がかりが見えてきます。

 

 

私のカウンセリングでも、

ご自身の生い立ちから現在までを一緒に振り返りながら、

心理学や行動心理学などの視点を取り入れて、

今の人間関係や生きづらさとのつながりを整理していくことができます。

 

あなたの人生も、心理学の視点から振り返ってみませんか。

 

自分のこれまでを知ることは、これからの自分を知ることにもつながります。


 

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