心のエコ生活とは その⑦ すべての人に好かれようとしない
2026/08/31
これまで「心のエコ生活」として、
「人の顔色ばかり気にしすぎない」
「変えられないことにエネルギーを使わない」
「100点を目指さない」
「原因探しをやめる」
「相手の課題を背負いすぎない」
という習慣についてお話ししてきました。
今回は、六つ目の習慣です。
「すべての人に好かれようとしない」
について考えてみたいと思います。
誰でも、できれば人から
嫌われたくはないと思います。
職場でも、友人関係でも、家族でも、
できれば気持ちよく付き合いたい。
よい関係をつくりたい。
そう思うのは自然なことです。
でも、その気持ちが強くなりすぎると、
「相手にどう思われるか」が、自分の行動を決める基準になってしまう
ことがあります。
「嫌われたくない」が先に出てくる
たとえば、本当は断りたいのに、
「断ったら感じが悪いと思われるかな」
と考えて引き受けてしまう。
自分は違う意見を持っているのに、
「ここで反対したら嫌われるかな」
と思って黙ってしまう。
疲れているのに誘いを断れず、
「付き合いが悪いと思われたくない」
と参加する。
こんなことはないでしょうか。
その場では波風が立たず、
うまく収まったように見えるかもしれません。
でも、自分の中には少しずつ、
「本当は嫌だったのに」
「また無理してしまった」
という気持ちが残っていきます。
そして、その積み重ねが
心の疲れにつながることがあります。
人によって、感じ方は違う
私たちはつい、
「丁寧に接していれば、みんなから好かれる」
「相手に合わせていれば、嫌われない」
と思ってしまうことがあります。
でも、人の感じ方はそれぞれ違います。
同じ人を見ても、
「優しい人だ」
と感じる人もいれば、
「少し遠慮しすぎる人だ」
と感じる人もいます。
はっきり意見を言う人を、
「頼りになる」
と思う人もいれば、
「きつい」
と感じる人もいます。
静かな人を、
「落ち着いている」
と見る人もいれば、
「何を考えているか分からない」
と感じる人もいます。
つまり、
こちらがどれだけ気をつけても、
相手がどう感じるかを全部そろえることはできない
ということです。
10人いれば、10人とも同じように
自分を見てくれるわけではありません。
好かれるために、自分を変え続けると疲れる
すべての人に好かれようとすると、
相手によって自分を変え続けることになります。
この人には、こう話そう。
あの人の前では、これは言わないでおこう。
この人は冗談が好きだから、明るく振る舞おう。
あの人は静かな方が好きそうだから、あまり話さないようにしよう。
もちろん、人に合わせることは
社会生活の中で必要です。
相手や場面に応じて言葉を選ぶことも大切です。
でも、
「嫌われないために」
という理由で、
いつも自分を調整し続けると、心は休まりません。
人と会うたびに、
「これで大丈夫かな」
「変に思われなかったかな」
と確認することになるからです。
自分らしく振る舞うことよりも、
相手にどう映るかの方が大切になってしまいます。
「嫌われる」と「合わない」は同じではない
人間関係を考えるときに、
私はこの違いも大切だと思っています。
誰かと話が合わない。
考え方が違う。
一緒にいると少し疲れる。
そういうことはあります。
でも、それをすぐに、
「嫌われている」
と考える必要はありません。
単に、
「合う部分が少ない」
ということもあります。
人にはそれぞれ、
価値観があります。
話すテンポも違います。
好きなことも違います。
大切にしているものも違います。
すべての人と深く分かり合うことは難しいものです。
だから、
「この人とはあまり合わないな」
と思うことがあってもいい。
相手からそう思われることがあってもいい。
それだけで、自分の価値が下がるわけではありません。
「どう思われるか」より「どうありたいか」
人からどう思われるかを気にし始めると、
答えはなかなか出ません。
「今の言い方でよかったかな」
「もっと愛想よくした方がよかったかな」
「嫌われていないかな」
考えれば考えるほど、相手の頭の中を想像することになります。
でも、本当に分かるのは、自分のことです。
だから、ときには、
「相手にどう思われるか」ではなく、
「私はどうありたいのか」
と考えてみるのもよいと思います。
私は、この人に誠実に接したい。
無理なことは無理だと伝えたい。
相手を傷つけないように配慮しながら、自分の意見も大切にしたい。
そんなふうに、自分が大切にしたいことを基準にしてみる。
その方が、相手の反応だけを追いかけるよりも、
心のエネルギーを自分の側に戻しやすくなります。
断ることと、嫌うことは違う
「すべての人に好かれようとしない」と
いうことを考えるとき、
断ることが苦手な人も多いと思います。
頼まれると、
「断ったら悪いかな」
と思ってしまう。
でも、
頼みを断ることと、その人を嫌うことは別です。
今日はできない。
今は余裕がない。
今回は引き受けられない。
そう伝えることはできます。
相手が少し残念そうな顔を
することはあるかもしれません。
でも、その表情まで自分が引き受ける必要はありません。
自分の事情を伝えたうえで、
相手がどう感じるかは相手の部分です。
いつも「いいですよ」と言っていると、
その場では喜ばれるかもしれません。
けれど、自分の中に無理がたまっていけば、
いつか関係そのものが苦しくなってしまいます。
長く人と付き合っていくためにも、
ときには「できません」と言えることが必要なのだと思います。
全員に好かれなくても、大切な関係は残る
私たちは、「嫌われないこと」に目を向けすぎると、
自分を好いてくれている人のことを忘れてしまうことがあります。
自分のことを分かってくれる人。
一緒にいて安心できる人。
無理をしなくても話せる人。
少しくらい意見が違っても、関係が壊れない人。
そういう人たちもいます。
100人全員から好かれることを目指すよりも、
自分が大切にしたい人との関係を大切にする。
そこに心のエネルギーを使う方が、
私はずっと意味があると思います。
すべての人に好かれるために、
自分を小さくする。
何も言わない。
何でも引き受ける。
いつも相手に合わせる。
そこまでしなくてもいいのです。
「みんな」ではなく、「大切な人」を考える
「誰からも嫌われたくない」
と思ったときには、一度、
「私は、本当にすべての人から好かれる必要があるのだろうか」
と考えてみてください。
そして、
「私は誰との関係を大切にしたいのだろう」
と考えてみる。
すると、少し見え方が変わるかもしれません。
人とのつながりは大切です。
でも、つながりを守るために、
自分の気持ちを全部後回しにする必要はありません。
相手を尊重する。
そして、自分のことも尊重する。
その両方があってこそ、
無理のない関係が続いていくのだと思います。
すべての人に好かれなくてもいい。
自分に合う人もいれば、
合わない人もいる。
それでも、自分が大切にしたい人たちと、
無理のない関係をつくっていくことはできます。
「みんなに好かれるため」に使っていた心のエネルギーを、
「自分が大切にしたい人やこと」に使っていく。
これが、「心のエコ生活」の六つ目の習慣、
「すべての人に好かれようとしない」
という考え方です。
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