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【私の人生を心理学で振り返る⑩】小さな「できた」が自信を育てた ― トランペットが教えてくれたこと(自分の体験談より)

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【私の人生を心理学で振り返る⑩】小さな「できた」が自信を育てた ― トランペットが教えてくれたこと(自分の体験談より)

【私の人生を心理学で振り返る⑩】小さな「できた」が自信を育てた ― トランペットが教えてくれたこと(自分の体験談より)

2026/10/08

前回、私は中学校で吹奏楽部に入り、

トランペットを始めたことを書きました。

 

最初は、思うように吹けませんでした。

 

専門書を読んでも分からない。

 

何度吹いても音が外れる。

 

指も思うように動かない。

 

それでも、不思議とトランペットだけは

諦めたくありませんでした。

 

分からなければ、また読む。

 

うまく吹けなければ、また練習する。

 

私は、そんなことを何度も繰り返していました。

 

 

 

何度やっても、できない

 

練習をしていると、

どうしてもうまく吹けないところが出てきます。

 

何度吹いても音が外れる。

 

指が追いつかない。

 

頭では分かっているつもりなのに、

思ったように吹けない。

 

「どうしてできないんだろう」

何度もそう思いました。

 

それでも、

私は同じところを繰り返しました。

 

一回。

 

二回。

 

十回。

 

それでもだめなら、また次の日。

 

 

今振り返ると、この頃の私は、初めて

 

「できないことに、逃げずに向き合う」

という経験をしていたのかもしれません。

 

 

 

プロの先生から教えてもらったこと

 

その後、私は仲間4人と一緒に、

プロのトランペット奏者の先生から

半年ほどレッスンを受ける機会がありました。

 

その先生が、あるときこんなことを言いました。

 

「吹けるようになるのは、すべての条件がそろったときだよ。」

 

息のスピード。

 

口の中の舌の位置。

 

指の動き。

 

「こういう音を出したい」というイメージ。

 

そして、

「絶対にできる」

という強い気持ち。

 

そうしたものが全部そろったときに、

うまく吹けるのだと教えてくれました。

 

私はその言葉を聞いて、

 

「そうなんだ。

 どれか一つでも欠けていたら、

 うまくいかないことがあるんだ」

と思いました。

 

 

 

「ただ繰り返す」だけではなかった

 

それまでは、できないと、

「もっと練習しなくちゃ」

と、ただ回数を重ねていたところがあったように思います。

 

でも、先生の話を聞いてからは、

少し意識が変わりました。

 

「息のスピードはどうだったかな」

 

「舌の位置はどうだったか」

 

「指の動きは遅れていないか」

 

「頭の中に音のイメージはあるか」

 

「できると思って吹いているか」

 

一つずつ意識するようになりました。

 

 

そして、また吹く。

 

うまくいかなければ、少し考える。

 

修正して、また吹く。

 

 

私は、そうやって

繰り返し練習するようになりました。

 

今振り返ると、これは単なる反復ではなく、

考えながら修正していく練習だったのだと思います。

 

 

 

「できない」は、「能力がない」とは限らない

 

この先生の言葉は、

私の中に強く残りました。

 

それまでの私は、

できないことがあると、

 

「自分には才能がないのかもしれない」

 

「やっぱり自分はだめなのかもしれない」

と考えやすいところがありました。

 

でも、

 

「すべての条件がそろったときに、できる」

という考え方を知ってからは、

 

「まだ、何か一つ整っていないのかもしれない」

と考えられるようになりました。

 

これは私にとって、

大きな変化でした。

 

 

できないことを、

自分自身の能力の否定

として受け取るのではなく、

 

まだ調整できるところがある状態

として見ることができるようになったのです。

 

 

 

心理学でいう「メタ認知」

 

今の言葉で振り返ると、

これはメタ認知にもつながる

考え方だったと思います。

 

メタ認知とは、

 

「自分はいま、どのように考えているのか」

 

「どこでつまずいているのか」

 

「何を変えればよいのか」

 

と、自分自身の状態を少し

離れたところから見つめる力です。

 

ただ、

「できない」

と思うだけではなく、

 

「何が足りないのだろう」

と考える。

 

これは、学習を続けるうえで

大きな違いになります。

 

私にとってトランペットの練習は、

自分の状態を観察し、修正し、

また試すという経験にもなっていきました。

 

 

 

繰り返すうちに、体も少しずつ変わっていく

 

楽器は、

頭で理解しただけでは吹けません。

 

唇の使い方。

 

息の流れ。

 

舌の動き。

 

指の動き。

 

音のイメージ。

 

それらが少しずつ一つに

つながっていく必要があります。

 

 

最初は、一つ一つを意識していたことも、

何度も練習するうちに少しずつ自然にできるようになります。

 

脳も、繰り返しの経験を通して、

新しい動き方を学習していきます。

 

その場では変化が見えなくても、

練習を重ねる中で少しずつ積み上がっている。

 

私はトランペットを通して、

そのことを体で覚えていきました。

 

 

 

ある日、突然吹けた

 

そんなある日のことです。

 

それまで何度やっても吹けなかったフレーズを、

いつものように吹いてみました。

 

すると、

自然に音がつながったのです。

 

「あれ?」

もう一度吹いてみました。

 

また吹けました。

 

「できた!」

そのときのうれしさは、

今でも覚えています。

 

誰かに褒められたから

うれしかったわけではありません。

 

昨日までできなかったことが、

自分の力でできるようになった。

 

それがうれしかったのです。

 

 

 

小さな「できた」が、自分への見方を変えた

 

それまでの私は、

「自分はできない」

と思うことの多い子どもでした。

 

勉強でも、

 

人前で話すことでも、

 

周りと比べては、

「どうして自分はできないんだろう」

と思っていました。

 

でも、トランペットでは違いました。

 

最初はできなかった。

 

条件を一つずつ考えた。

 

繰り返した。

 

修正した。

 

そして、できるようになった。

 

 

この経験を通して、

「自分にも、できるようになることがある」

と感じることができました。

 

 

 

心理学でいう「自己効力感」

 

心理学には、

自己効力感という言葉があります。

 

簡単に言えば、

「自分ならできるかもしれない」

という感覚です。

 

この感覚を育てるうえで

特に大きいのが、自分自身の成功体験です。

 

誰かから、

「あなたならできるよ」

と言ってもらうことも大切です。

 

でも、

自分でやってみた。

 

できなかった。

 

工夫した。

 

繰り返した。

 

そして、できた。

 

この経験は、とても強く心に残ります。

 

 

私にとって、トランペットで味わった

「できた」は、そうした成功体験だったのだと思います。

 

 

 

失敗の悪循環から、成長の循環へ

 

それまでの私は、

 

失敗する
↓
自信をなくす
↓
怖くなる
↓
ますます挑戦しにくくなる

 

という循環に入りやすいところがありました。

 

 

でも、トランペットでは違いました。

 

できない
↓
どこが足りないか考える
↓
練習する
↓
少しできる
↓
うれしくなる
↓
また挑戦する

 

という循環が生まれました。

 

これは私にとって、

とても大きな経験でした。

 

「失敗したら終わり」ではなく、

 

「できないところを見つけたら、そこを整えていけばいい」

と考えられるようになったからです。

 

 

 

トランペットは、「努力の仕方」を教えてくれた

 

今振り返ると、トランペットから学んだのは、

 

「頑張れば何でもできる」

という単純なことではありませんでした。

 

むしろ、

 

何が足りないかを考える。


一つずつ整える。


繰り返す。


また確かめる。

 

そういう努力の仕方でした。

 

できない自分を責め続けるのではなく、

「今、どの条件がそろっていないのだろう」

と考える。

 

この見方を持てたことは、

その後の私の人生にも影響したように思います。

 

 

 

あなたの人生も、心理学の視点から振り返ることができます

 

私たちは、何かうまくいかないと、

 

「自分には向いていない」

 

「才能がない」

 

「やっぱり自分はだめだ」

と考えてしまうことがあります。

 

でも、

本当に能力がないのでしょうか。

 

もしかすると、

まだ必要な条件が

一つ整っていないだけかもしれません。

 

やり方。

 

知識。

 

練習量。

 

環境。

 

気持ち。

 

タイミング。

 

 

人生を振り返っていくと、

 

「あのとき、自分は何が足りなかったのだろう」

「どんな小さな成功が、自信につながったのだろう」

と見えてくることがあります。

 

 

私のカウンセリングでも、

ご自身の生い立ちから現在までを一緒に振り返りながら、

心理学や行動心理学などの視点を取り入れて、

今の人間関係や生きづらさとのつながりを整理していくことができます。

 

あなたの人生も、心理学の視点から振り返ってみませんか。

 

自分のこれまでを知ることは、これからの自分を知ることにもつながります。

 

 

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