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10月になると、なぜ少し気持ちが上向くのか――季節と行事が心に与える影響

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10月になると、なぜ少し気持ちが上向くのか――季節と行事が心に与える影響

10月になると、なぜ少し気持ちが上向くのか――季節と行事が心に与える影響

2026/09/26

10月になると、

私は少し気持ちが上向きます。

 

もちろん、

これは私だけの感覚かもしれません。

 

9月は、まだ暑さが残っていたり、

雨の日が続いたり、台風が来たりして、

なんとなく気持ちが落ち着かない時期です。

 

ところが10月になると、

朝晩の空気が少しひんやりして、

空が高く感じられます。

 

「秋になったな」

 

そんな感覚とともに、

気持ちも少し軽くなるように感じます。

 

 

 

私にとって10月には、

昔から「晴れ」のイメージがあります。

 

以前は10月10日が「体育の日」でした。

 

1964年の東京オリンピックの開会式が

10月10日に行われたことを記念して設けられた祝日で、

現在は10月の第2月曜日の「スポーツの日」になっています。

 

 

運動会、青空、スポーツ、秋晴れ。

 

こうした記憶も重なって、

私の中には「10月=明るい季節」

という印象が残っているのかもしれません。

 

では、季節や月によって気持ちが

変わるということは、本当にあるのでしょうか。

 

心理学や脳科学の研究から見ると、

私たちの心は、季節の影響を思っている以上に受けています。

 

 

 

日光は、私たちの「心の時計」を整えている

 

人間の体には、

約24時間のリズムがあります。

 

これを「概日リズム」、

いわゆる体内時計と呼びます。

 

朝に明るい光を浴び、

夜になると暗くなる。

 

この光と暗さの変化を手がかりに、

脳は睡眠や覚醒、ホルモン分泌などを調整しています。

 

 

特に季節が進み、

昼の時間が短くなると、

このリズムにも影響が出ます。

 

季節による日照時間の変化が、

睡眠や気分と関係していることは

多くの研究で指摘されています。

 

つまり、

「秋になるとなぜか少し寂しい」

 

「冬になると朝起きるのがつらい」

 

「春になると少し活動的になる」

 

という感覚には、

光と脳の働きも関係しているのです。

 

 

 

10月は「動きやすい季節」でもある

 

10月は真夏ほど暑くなく、

真冬ほど寒くありません。

 

外に出たり、歩いたり、

スポーツをしたりするには比較的過ごしやすい時期です。

 

外出が増える。

 

人と会う。

 

景色を見る。

 

体を動かす。

 

こうした行動が増えると、

気分にも変化が起こります。

 

 

 

心理学では、

気分がよくなるのを待ってから動くというより、

先に少し行動することで気分が変化していくことがあります。

 

散歩をしてみる。

 

外でコーヒーを飲む。

 

公園へ行く。

 

秋祭りへ出かける。

 

 

こうした小さな行動が、

心に刺激を与えてくれます。

 

 

10月の過ごしやすさは、

自然と私たちを外へ向かわせてくれるのかもしれません。

 

 

 

 

行事には「心のスイッチ」のような働きがある

 

そしてもう一つ大きいのが、行事です。

 

10月には運動会やスポーツイベント、

秋祭りなどがあります。

 

11月3日は文化の日です。

 

文化の日は

「自由と平和を愛し、文化をすすめる」日として定められています。

 

地域によっては文化祭、美術展、

音楽会、発表会、菊花展、地域の

お祭りなども開かれます。

 

こうした行事には、

「もうすぐ○○がある」

という楽しみが生まれます。

 

実は、人は楽しい出来事そのものだけでなく、

「楽しみに待っている時間」からも心が動きます。

 

旅行の日を待つ。

 

コンサートを待つ。

 

お祭りを待つ。

 

友人に会う日を待つ。

 

未来に小さな楽しみがあると、

心は少し先を向き始めます。

 

 

私は、10月から11月前半に

気持ちが少し上向く理由の一つに、

この「先に楽しみがある感覚」もあるように思います。

 

 

 

そして11月後半になると、少し景色が変わる

 

ところが11月後半になると、

雰囲気が少し変わってきます。

 

木々の葉が落ち始める。

 

夕方になると、

あっという間に暗くなる。

 

朝晩の寒さも増してきます。

 

日の長さが短くなるにつれて、

私たちの体内時計や睡眠にも影響が生じます。

 

冬に気分が落ち込みやすくなる

「季節性」の研究でも、

日照時間の減少、概日リズム、

メラトニンなどとの関係が長く研究されています。

 

もちろん、誰もが冬になると

気分が落ち込むわけではありません。

 

それでも、

「なんとなく寂しい」

 

「夕方になると少し心細い」

 

「以前より外へ出るのがおっくう」

 

と感じる人が増える時期ではあります。

 

 

ここには日照時間だけでなく、

秋の終わりを感じさせる景色も影響しているのでしょう。

 

葉が落ちていく木々。

 

早く沈む夕日。

 

冷たい風。

 

私たちは、そうした景色からも

季節を感じ取っています。

 

 

 

季節には「思い出」も一緒についてくる

 

さらに興味深いのは、

季節と記憶との関係です。

 

たとえば、

金木犀の香りをかぐと、

学生時代を思い出す。

 

夕方の冷たい風を感じると、

子どもの頃の帰り道を思い出す。

 

クリスマスの音楽を聞くと、

昔の家族との時間を思い出す。

 

こうした経験は、

多くの人にあると思います。

 

 

脳は、出来事だけを単独で

記憶しているわけではありません。

 

そのときの匂い、音、景色、

気温、感情なども一緒に記憶されています。

 

だから季節が巡ってくると、

その季節に結びついた記憶や感情まで一緒に戻ってくることがあります。

 

「なぜかわからないけれど、この季節になると懐かしい」

 

という感覚にも、こうした記憶の働きが関係しています。

 

 

 

12月になると、心は一気に「年末モード」へ

 

そして12月。

 

ここまで来ると、

季節というより社会全体の空気が変わります。

 

クリスマス。

 

仕事納め。

 

大掃除。

 

年賀状。

 

買い物。

 

帰省。

 

お正月の準備。

 

 

特にクリスマスの1週間ほど前から、

街の雰囲気も大きく変わります。

 

そして12月25日を過ぎると、

今度は一気にお正月へ向かいます。

 

スーパーの商品も変わる。

 

テレビ番組も変わる。

 

街の飾りも変わる。

 

周囲の人たちの会話も、

「今年もあと少しですね」

というものが増えてきます。

 

 

人間は周囲の雰囲気から強い影響を受けます。

 

自分自身はそれほど急いでいなくても、

周囲が慌ただしくなると、なんとなく

自分まで急いでいるような気持ちになることがあります。

 

そして、

「今年は何をしただろう」

 

「やり残したことはないだろうか」

 

「来年はどうしよう」

 

と、自分の一年を振り返る時期にもなります。

 

12月は、過去を振り返る気持ちと、

未来を考える気持ちが同時に動く、

少し不思議な月なのかもしれません。

 

 

 

私たちの心には「季節のリズム」がある

 

こうして考えてみると、

私たちの気持ちは、

自分の意思だけで動いているわけではないようです。

 

光。

気温。

日の長さ。

空の色。

植物の変化。

匂い。

行事。

街の雰囲気。

 

そして、それまでの人生で積み重ねてきた思い出。

 

 

いろいろなものが重なり合いながら、

その時期の心をつくっています。

 

だから、

「最近、少し気分が落ちているな」

と感じたとき、

自分の心の中だけに理由を

探さなくてもよいのだと思います。

 

「そうか。日が短くなってきたからかもしれない」

 

「今年も秋が深まってきたからかな」

 

そんなふうに季節との関係から眺めてみると、

自分の心を少し離れたところから見ることができます。

 

反対に、

「今日は気持ちがいいな」

と思ったときも、

 

青い空を見上げたり、

秋の風を感じたり、

外を少し歩いたりして、

その季節からもらっている心地よさを味わってみる。

 

これも、自分の心を整える

一つの方法なのだと思います。

 

今年も、あと3か月。

 

10月、11月、12月と、

同じ秋や冬の中でも心の感じ方は少しずつ変わっていきます。

 

その変化に気づきながら、

「今、自分の心はどんな季節にいるのだろう」

と、ときどき眺めてみる。

 

季節に合わせて服を替えるように、

心の過ごし方も、季節に合わせて少しずつ変えていく。

 

そんな過ごし方があってもよいのではないでしょうか。

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