【アドラー心理学 第2回】人の目が気になる心理 ― 課題の分離という考え方
2026/10/31
人からどう思われているか、気になりませんか?
職場の会議で、自分なりの意見があっても、
周囲の反応が気になって発言を控えてしまう。
友人から何かを頼まれたとき、
本当は断りたいのに、
嫌われることが心配で引き受けてしまう。
このような経験はありませんか?
私たちは、人との関係を大切にするからこそ、
相手の気持ちや評価を気にすることがあります。
しかし、それが続くと、自分の気持ちよりも
相手の反応を優先するようになり、
心が疲れてしまうことがあります。
そんなときに役立つのが、
アドラー心理学で用いられる「課題の分離」という考え方です。
自分の課題と相手の課題を分ける
例えば、友人から食事に誘われたとします。
その日は疲れていたため、
あなたは「今日はゆっくり休みたいので、また今度にしましょう」と伝えました。
ところが、その後、友人から返信がありません。
すると、「断ったから気分を悪くしたのかな」
「嫌われてしまったかな」と気になり始めます。
ここで、二つのことを考えてみましょう。
一つは、自分の体調や予定を考えて、
誘いを受けるかどうかを決めることです。
もう一つは、断られた友人が
どのように受け止めるかということです。
前者は自分の課題であり、
後者は基本的に相手の課題です。
もちろん、相手に配慮した言葉で
伝えることは大切です。
しかし、どれほど丁寧に伝えても、
相手がどのように感じるかまで自分で決めることはできません。
自分ができることと、
相手に委ねることを分けて考える。
これが課題の分離の基本的な考え方です。
課題の分離は、相手を突き放すことではない
ここで、一つ大切なことがあります。
課題の分離を、
「それは相手の問題だから、私は関係ない」と解釈してしまうと、
人間関係が冷たいものになってしまいます。
例えば、職場で同僚が仕事に困っていたとします。
「それはあなたの課題だから、
自分で解決してください」と突き放すことが、
課題の分離の目的ではありません。
困っている様子に気づいたら、
「何か手伝えることはありますか?」と
声をかけることもできます。
そして、相手が助けを求めてきたら、
できる範囲で協力することもできます。
大切なのは、相手の意思を尊重しながら、
自分ができることを考えることです。
アドラー心理学では、
人との協力やつながりも大切にしています。
課題の分離は、
相手との関係を断つためではなく、
お互いを尊重し、無理のない関係を築くための考え方なのです。
人の目が気になったときの、小さな習慣
では、日常生活の中で
課題の分離をどのように生かせばよいのでしょうか。
私は、人の目が気になったときに、
次の二つを自分に問いかけてみることをおすすめします。
「今、気にしていることは、
自分で決められることだろうか?」
「その中で、自分にできることは何だろうか?」
例えば、会議で意見を発表するとき。
自分の考えを整理し、
相手に伝わるように話すことは、
自分にできることです。
その意見を周囲の人がどう評価するかは、
自分だけでは決められません。
そう考えることで、周囲の評価に向けていた意識を、
自分の行動へと戻しやすくなります。
最初からうまくできなくても構いません。
人の目が気になったときに、
少しだけ立ち止まって考える。
そんな小さな習慣から
始めてみてはいかがでしょうか。
心のエコ生活とのつながり
私は、「心のムダ遣いを減らす生き方」として、
心のエコ生活を提案しています。
その中には、「人の顔色を気にしすぎない」
「相手の課題まで背負わない」という習慣があります。
人の気持ちを思いやることは大切です。
その一方で、相手の機嫌や評価まで自分が何とかしようとすると、
心のエネルギーをたくさん使うことになります。
自分の課題と相手の課題を分けて考えることで、
相手を尊重しながら、自分の心も大切にできるようになります。
相手を大切にすることと、
自分を大切にすること。
その両方を目指していきたいものです。
次回は、
「なぜ人は他人と比べるのか? ― アドラー心理学の劣等感と成長」
について考えていきます。
オンライン・カウンセリング《輝き》
教職経験のある心理カウンセラー 高橋成大
※ご相談はこちらから
人間関係でお悩みの方
----------------------------------------------------------------------
オンライン・カウンセリング 《輝き》
住所:埼玉県鴻巣市南2丁目
電話番号:050-1720-1859
カウンセリングで人間関係を整理
カウンセリングとコーチング
教員向けのカウンセリング
仕事に向き合うカウンセリング
不登校に悩む方のカウンセリング
----------------------------------------------------------------------


